私がポメラを買わないたった一つの理由

キングジムから「ポメラ」が出てかなりの話題になっています。
私もこのガジェットにはとても関心があります。何しろ、ずいぶん昔からタッチタイプで効率的にテキスト入力できるマシンをずっと買い続けてきましたから。

最初は「オアシスポケット」という富士通ワープロでした。これは良かった。ストロークの浅いおもちゃみたいなキーボードで、押すとパチパチという音がした。最初は何じゃこりゃ、と思ったけど、慣れるととてもいい感じにタイピングできました。オアシスポケット3になるとDOSに下りて簡単なアプリを動かすことも出来ました。

次に買ったのがオムロンの「マシフ」というマシン。これはマイナーだから知らない人も多いだろうな。キーボードはオアシスポケットと似たようなものでしたが、VJE-βというFEPとVJE-PENという簡易ワープロみたいなのが付いていて、コマンドひとつでDOSに下りて(DR-DOSというMS-DOSの互換OS)そこでまた通信ソフトやらエディタを動かすことが出来ました。これもずいぶんと使い倒しましたね。

その次に買ったのが、往年の名機「モバイルギア」です。勿論、DOSモバといわれるMS-DOSで動くタイプのものですね。これは普通に使っても十分使いやすいものだったけど、またまたDOSに下りて使う事が出来てそれが楽しかった。ディスプレイドライバを開発する人や、視認性の高いフォントを作った人もいてそれはそれは盛り上がっていましたねぇ。定番はATOK8を入れてVz-Editorで文書入力。通信はKTXスプレッドシートにAs-Easy-As、スケジューラーにDoDiaryで、私もその組み合わせで使っていました。特にDoDiaryというスケジューラーは、革新的かつ超高速で随分使い倒しました。もうこの優れたスケジューラーの開発はもうしないのだろうかと思います。そんなに良いものならばお前が作れといわれそうですが。(ねぇ、誰か作りませんか?)

それに加えて「PDA史上最強」といわれるキーボードのうち安さがすばらしかった。音も小さく長時間打っていても疲れず、配列も使いやすくこのキーボードならどれだけでも打つ事が出来ました。どうしてあんな小さいキーボードがあれ程に使いやすかったのか、今考えても分かりません。

その後、NECシグマリオンとか日立のペルソナとかHPのジョルダナとか色々と買ったけど、結局DOSモバイルギアを超えるものはひとつもなくて、最近まで飽きることなく「DOSモバ」ずっと使っていました。結局3台くらい買いましたけど最後に残った「ドコモバ」というのが数年前に壊れてしまって、ヤフオクで買うことも出来るのだけどもういいかという感じで使っていません。

何しろ、スイッチを入れただけで1秒後にはタッチタイプで入力可能になるマシンってそんなにないわけで、携帯電話のテンキー入力が苦痛な私にはポメラは福音とも言えるガジェットです。早速買おうと思ったんですが、結局迷って辞めてしまいました。

なぜか。DOSに下りれないから?、違います。そりゃあの液晶と小ささでDOSに下りれたら最高ですけど(そもそもOSが何か知りませんし)。

私が「ポメラ」を買わないたった一つの理由は、CapsLockとCtrlが交換できないと聞いたからです。おそらくこの理由で「ポメラ」をあきらめた人は多いんじゃないかと思います。

そのコンセプトや機能を絞ったことは評価できるけど、テキスト入力マシンとしてATOKをつむのならば、どうしてもCapsLockとCtrlキーは交換可能にして欲しかった。

私は数十年Aの隣にCtrlがある配列になじんできて、当然今使っているパソコンもすべてキーアサインを変更してCapsLockとCtrlキーを入れ替えているけど、それはもうこの配列でしか使えないから。今まで何度も「普通になろう」と思って入れ替えない状態でチャレンジしてしたけど、どうしても慣れなくて挫折し続けてきました。そもそもこんな使いにくい配列を考えたやつは誰だと言いたいけれど。

多分「ポメラ」はこれからも改良して出てくると信じたいんですが、次はお願いだからCapsLockとCtrlキーは交換可能にしてください。キングジムさん、お願いします。テキストをたくさん打つ人ほど、この機能にこだわっている人は少なくないはずだから。

あと、スーパーハカーの人も、どうかポメラをハックしてキーアサインをいじれる様にしてください。お前がやれって?、そうですか…